FIVE-PART POLYPHONY VER.2
FIVE-PART POLYPHONY VER.2
silkscreen on paper, wooden frame
h: 40, w: 40 cm (sheet) / h: 42, w: 42, d: 3 cm (frame)
ed. 15 (* ed. 6 - 15 / 15)
2024
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シルクスクリーンで版を重ねて刷り上げる作業は、作曲のプロセスと似ていると語る藤本。
この作品はパウル・クレーが音楽的構造を表した「5声のポリフォニー」を基に、そのバリエーションをシルクスクリーンで刷ったもの。ノマルの版画工房とのコラボレーションで5パターンの作品が制作されました。
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「Sound and Vision」展 (2024.2.10 - 3.9 at Gallery Nomart)でのアーティスト・ステートメントより
Sound and Vision
Don’t you wonder sometimes
‘Bout sound and vision?
ときどき不思議に感じないかい
音響と視覚について
ー David Bowie “Sound and Vision”
視覚と聴覚
大学生の時、指導教授から「視覚は積分で、聴覚は微分である」と突然言われ茫然としている私に「具体的な例を挙げると」と教授は話を続けた。
「ビデオ映像を鑑賞している時に、一時停止ボタンを押したらどうなる?」と問いかけすぐ「つまり時間を止めると、画面は静止画となって目の前に現れているけれど、音はどうなっている?何も聞こえないよね」。
同じ世界にいても、視覚と聴覚で体験する世界は異なるという事実。視覚の世界は「静止」するのに対し、聴覚の世界は「消滅」する。
そんなsoundとvisionを相手に表現に取り組んでいると、また新しいwonderに出合う。
COMPOSITION
マルセル・デュシャンは「芸術とは選ぶことだ」と言った。そして「赤い絵の具を選ぶ、青い絵の具を選ぶ、選ぶのは絵の具である必要はない、既製品を選んでもよい」と続ける。
デュシャンに倣えば「作曲とは選ぶことだ」と言える。そして「音を選ぶだけではなく、色を選ぶ、文字を選ぶ、モノを選ぶ・・・」となる。
soundとvisionによるcomposition、私には一番合っているような気がする。
藤本由紀夫 Yukio Fujimoto