Grid in November
Grid in November
silkscreen on kakita, wooden frame
h: 76, w: 56 cm (sheet) / h: 91, w: 71, d: 2.8 cm (frame)
ed. 17
2017
* 送料は別途見積りいたします。
ギャラリーノマルにて2015 -2018年迄の間に計7回開催された、木村秀樹の過去・現在・未来の仕事をシリーズごとに特集するプロジェクト、“Hideki Kimura: Project Periods 2015 - 2018”。その各回ごとのテーマに沿って新たに計10点の新作版画を制作・発表しました。
"Grid in November”は、通常はシルクスクリーン版画の刷りに使う道具(スキージー)を用いて、キャンバスに直接描き重ねていくペインティング作品シリーズのコンセプトを、改めて版画へとフィードバックさせる試みとしてシルクスクリーンで作品化。その美しいグラデーションは木村の全てが凝縮された作品と言えます。
上記プロジェクト6回目"Period 6: Squeegeeing"時に発表されました。
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Artist Comment / 木村秀樹 Hideki KIMURA
●スキージングー半透明ー皮膜ー両義性ースキン・ユニット
スキージングとは、シルクスクリーン版画の刷りに用いる道具- squeegee に ing を付けた造語ですが、Squeegeeing は、Printing/反復性 と Painting/1回性の中間/ neutral に位置する技法であると考える事ができます。
ヘラとローラーの機能を併せ持った自作の道具を作成し(ここで言う Squeegee)、それを使って、テープでマスキングされたキャンバス面を、絵具で被って行きます。
この技法は、版画のような絵具の均質性を保ちつつ、同時に、絵画のような筆跡のニュアンスを併せ持った、独特の皮膜を造る事が出来ます。
スキージングによってキャンバス上に定着される半透明の皮膜は、スリガラスのようでもあり、レースのカーテンのようでもあり、水の流れのようでもあり、そしてユニット・タイルのようでもある不思議な多様体- neutralityです。この多様体を基礎的資材として、平面上にどのようなイメージ構築が可能か?を多角的に探る事が「スキージング・シリーズ」の継続的課題です。
[Grid in November]は、基本的にキャンバス作品の制作プロセスを、踏襲する方法で進めました。支持体をキャンバスからフィルムに、絵具をアクリルメディウムから遮光剤に置き換え、同様にスキージングして得られたポジフィルムを、製版時間を変えて3版に分版し、半透明のインクで刷り重ねています。キャンバス上にスキージングされた皮膜とシルクスクリーンで刷られた皮膜の構造的な違いを再認識させられました。