Purple Splash
Purple Splash
silkscreen on kakita, wooden frame
h: 76, w: 56 cm (sheet) / h: 91, w: 71, d: 2.8 cm (frame)
ed. 17
2016
* 送料は別途見積りいたします。
ギャラリーノマルにて2015 -2018年迄の間に計7回開催された、木村秀樹の過去・現在・未来の仕事をシリーズごとに特集するプロジェクト、“Hideki Kimura: Project Periods 2015 - 2018”。その各回ごとのテーマに沿って新たに計10点の新作版画を制作・発表しました。
"Purple Splash”は、80年代中頃の作品に顕著に現れてくる、様々なイメージの"断片(Fragments)"を画面中で再構成してゆく仕事を、当時は踏み込まなかった色彩と新たな断片の組み合わせで制作。しぶきが特徴的に使われ、大胆で斬新な作品として完成しました。同プロジェクト3回目"Period 3: Fragments"時に発表されました。
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Artist Comment / 木村秀樹 Hideki KIMURA
断片とは、日常的な(通常の)関係から、ランダムに切り離された、事物あるいはイメージを指します。ペンシルのシリーズやチューリップのシリーズにも共通するのですが、孤立化させられたイメージは、本来あるべき他との関係を希求しつつも、逆に解放された自由の謳歌をも感じさせます。その断片化されたイメージが持つ可塑性と浮遊性を、写真製版のシルクスクリーンの全制作プロセスの中に、不可避的に内属する、レイヤーと言う相対化システムを通じて、培養する事あるいは解放する事の可能性を探っていた時期の作品群です。画面に登場するイメージは、コーヒーポットを持つ手、当時乗っていた自動車のハッチバックドア、知人の歯科技工士に依頼された工房の図案、任意に制作された筆跡、等々です。これ等を乳白色のフラットなキャンバス面に散乱させた後、ある緊張状態の元に定着させます。
[Purple Splash]は、1984年当時、ばらばらのコンセプトの下に、平行して制作していた、作品の資料画像や没となった画像の寄せ集めで創られています。一種のアッサンブラージュ作品ですが、レディメイドのイメージは全く含まれていません。