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grain #2019-6

grain #2019-6

通常価格 ¥128,000 (140,800税込)
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silkscreen on BFK Rives, wooden frame
h: 76.5, w: 57 cm (sheet) / h: 85.9, w: 66.4, d: 3.6 cm (frame)
ed. 20
2019

* ご注文より納品まで約4週間程お時間を頂戴いたします。



[grain シリーズ]

“grainシリーズ”と名付けられたこの作品は、抑えられた色彩に見えて、実は多数の色の粒が集まって構成されています。“grain(グレイン/ 粒)”の名の通り、インクの粒が折り重なり色や調子を表現しており、それは光の粒とも置き換えられます。

インクの粒の層で生まれるイメージは予測不可能で、あらかじめコンピューターでシミュレーションしたものを裏切り、伊庭と版画工房ノマルエディションとのカットアンドトライの末、2年の歳月をかけて完成に至りました。全7版、表面に近い部分にはより粒感が出るよう部分的に発泡インクを使用するなど、工房の技術を駆使しています。

*同作品シリーズは、2019年6月にギャラリーノマルで開催した個展「Yasuko Iba: grain - A way of Seeing」で発表の後、2019年7月20日 - 10月9日の期間、東京都美術館で開催された個展「伊庭靖子展 まなざしのあわい」でも展示されました。
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[作家コメント]

10年以上前から風景をモチーフに作品を作りたいと考えていました。風景と言っても油彩の作品と同じように、そのモチーフには何か惹きつけられる質があり五感に訴えるものであることが必要でしたので、そういったモチーフを風景の中に見つけることは難しくなかなか筆が進まない状況でしたが、今回、ようやく版画によって風景の作品に取り組むことができました。
今回の版画では、目の前のイメージを粒子に置き換えることを試みています。イメージに頼るのではなく置き換えられた粒子が密度を増していくことで、見えているイメージを超えて質感が強く感じられた瞬間に、その風景を手に入れることができるのです。そして、切り取られた風景を密度のある粒子で満たすことにより、ある質感をもった固まりとなり、果てしなく広がる風景ではなく、目の前のものを見つめる静物画のように捉えたいという思いで制作しています。

伊庭靖子 Yasuko Iba
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