Prayer いのりの輪郭 黒

charcoal on canvas
h: 226, w: 142 cm
2025

＊個展「Prayer」(ギャラリーノマル / 2025.5.17 - 6.14) 会期終了後の納品となります。
https://www.nomart.co.jp/exhibition/detail.php?exhCode=0217

「Prayer いのりの輪郭 黒」「Prayer いのりの輪郭 白」は、キャンバス地に黒は木炭、白は胡粉だけを使用して描かれた対照的な2作品。

中央の人型は池上本人の等身大像で、自身の魂を込めるように手指で幾重にも塗り込まれています。

—

Artist Comment / 池上恵一 Keiichi Ikegami

凝りとは何だろう。

幼いころ、私はよく体調を崩していた。
そんな私を、両親は食養法と思想で支えてくれた。
その経験を通じて、私は病気やストレス、そして「凝り」について考え続けてきた。

元気なときと、そうでないとき。
その違いは、身体の内側の圧力や呼吸のあり方にあるのかもしれない。
親族が旅立つ前、私はその変化を肌で感じた。
それ以来、指圧を通して手で感じたものを、再び手を使ってデッサンに落とし込み、
さらに彫塑へと展開させている。

「生きている」というより、「生かされている」。
生命の力と「凝り」は、いつもセットになっていて、日々あふれ出しているように思う。
私は、その働きをかたちにしたい。

今展「祈り」について

誰かに触れるとき、私は祈るような気持ちで手を動かしている。
ただ“凝り”をほぐすためではない。
私は生命の力とともに生まれるかたちをすくい出し、描くことができるー
それは、喜びと感謝を込めた、祈りでもある。

私という個人を超えた存在が息づくとき、祈りは芸術作品となる。